#004_2020.08.07

伊勢原佐知子

ISEHARA SACHIKO

漫画家

#OSAKA

京都で暮らした学生時代、「デヴィッド・ボウイが京都に住んでいたらしい」という噂を聞いたことがあった。なかには「表札を見た」という人も。

進化し続ける彼の世界観に、国境を超えて多くの人々が熱狂する、20世紀はそういう時代だった。デヴィッド・ボウイという存在にあまり馴染みがないという方は、こちらからぜひ聴いてみてほしい。

さて、「京都にボウイの家がある」なんて噂が立つぐらいだから、ボウイがかなりの「京都ファン」だったのはよく知られた話だ。

一度は写真を目にした方も多いと思うが、個人的に興味深いのは、ボウイが写っている「場所」である。あの路地に出没したらしいとか、好きだった禅寺があるだとか。京都に一度や二度、来たぐらいでは絶対に辿り着かない場所ばかり……。

「なぜ、ボウイはそんなところにいるんだろうか?」

この疑問を解決するには、写真を撮った本人に聞くのが早いだろうと思い、写真家の鋤田正義(すきたまさよし)さんに相談したところ、インタビューに快諾いただいた。

鋤田さんは、イギー・ポップ、マーク・ボラン、YMOなど世界的なアーティストたちがその才能を認めた人物。40年に渡ってボウイを撮り続け、ボウイ本人には「SUKITAはまったく献身的で素晴らしいアーティストである。私は彼を“マスター(巨匠)”と呼ぶ」と、いわしめたほど。

まことしやかな噂も流れるなか、ファインダー越しにその事実を捉えた鋤田さんに、その実態を聞いてみた。

記事の最後には、「彼が本当に訪れた場所」を詰め込んだオリジナルマップも掲載。デヴィッド・ボウイ流「京都の歩き方」を実践する人は、ぜひ活用してほしい。